土曜日, 9月 08, 2007

新入営業社員殺害未遂事件の真相


 先々週の富士山登山の直後に始めてハンドマッサージをしてもらいその時はとても気持ちが良かったのだが、何故か右親指の腱鞘炎が再発してしまった。もうすぐライブもあるし仕事でPCのキーボードを叩くのにも支障があるので心配である。まあそれは何とかなるとして。さて、この腱鞘炎の原因なのだがピアノの練習のし過ぎ、、、とかいうとかっこいいのだがそうではないのだ。

 この件は僕が会社関係の飲み会で起こした事件の中で最もやばいものの一つで実はあまり書きたくなかったのだが、この際書かざるを得まい。この腱鞘炎はM平という当時の営業新入社員のたたりと思われるからだ。それは2003年夏のこと。

 この件は「僕が酒に酔ってある新入社員であったM平がその時に言ったことに激怒しビール瓶で頭をかち割って殺そうとしたところ、酔っていた為にビール瓶が途中ですっぽ抜けて宙を飛んだために殺人にはいたらずM平は一命をとりとめた、これが原因でM平が退社した」、という極めて恐ろしい話が通説になっている。この事件の現場に居合わせた会社の後輩のKには、「あれを見てkohsさんにまともなこと言っても通じないということがよくわかりましたよ」等と言われる。まあ面白い話なのだが(面白くないか)、さすがにその話が出るたびに「いやいや、そんなことはないんだよ。本当に殺そうと思った訳じゃないんだよ。(当然なのだが)」と返したりしている。だが真相は本当にそんな積もりはまったくなく通説のようなことはなかったということを皆さんに(大概の方は関係ないが)知ってもらうために書いておきたい。

 その頃はSEマネージャになっており千葉の仕事が中心であった(センターとまことやの日々http://zacky-kohs.blogspot.com/2007/03/blog-post_16.html参照)。何かにつけよく飲んでいたことは前のトピックスで書いたが(参照)、その日は何かまとまった宴会で一緒に仕事をしているSEやカウンターパートの営業含めて20人以上で飲んでいた。何かの打ち上げか暑気払いかそのような宴会だったと思う。店は千葉市富士見町というところにある五味鳥という店の2会で、この店の2階は一部屋しかない障子のある部屋で貸切状態であった。貸切で我々が飲み会をすると何かと事件が起こる可能性が高く過去にもこの店では一波乱があったようだ。

 M平について触れておこう。その年の営業の新入社員なので若い社員でもあり、あまり悪く書きたくないのだが自惚れやで礼儀に欠け接する人の第一印象はあまり好きになれないという印象を与える新人であった。一応断っておくがこういう人に対しても僕は長い目でみる方であり、良いか悪いかわからないがすぐに口うるさく注意することなく少しずつ変えていこうとするタイプの積もりなのである。M平の言動は何かと話題になり営業部でも要教育新人として先輩・上司から指導を受けていた。さてそのM平と居酒屋「五味鳥」で起こした事件が「新入営業社員殺害未遂事件」なのだが、どういうことかというと...



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 実はあまり憶えていないのである。理由はかなり酔っていたからだ(あまり珍しいことではないが)。その日も一気あり(いまだに我々はこの文化、ちなみに流行語大賞「いっき」は入社した1985年)、スピーチありで散々飲んでいた。店は座敷であり、大勢で飲んでいる喧騒の中でM平は何人か離れた席にいた。その時どういう話をしていてこの事件になったかはさすがに気になったのでその時その場にいた人に聞いてみたのだが皆泥酔しているためあまり覚えていない。ただ、何となくはこんな話らしい。

 M平と他の何人かと何か仕事の青臭い話で議論をしていた。ところで僕は酒の席で真面目に仕事の議論をするのが実はあまり好きではない。感情・感覚の話は酒の席でも意味があるのだが、理論的な話は何の進展もないからである。そこで「そういう考え方もあるね」とか「まあ細かいことはいいんじゃないか」などと流すことにしている(仕事の時はもちろんちょっと違うが)。その時は何かM平が青臭い議論をふっかけていて先輩にそれは違うんじゃないの、的な話をしていたらしい。僕はあまり愉快ではなかったのだがM平を責める訳でもなく「まあそういう考え方もあるかもしれないけど」などと流していたらしい(何度も言うが憶えておらずその時近くにいたKの後日談。Kも細かくは憶えていないのだが)。

 憶えているのは次のシーンからである。

 M平が「kohsさん、YesかNoかはっきりしてください」と言う。
 僕はその一言でキレてしまう。 「M平、ちょっとこっち来い!」
 M平はやむなく移動して僕の横へ。
 僕は座ったまま右手でM平の胸ぐらを掴んで畳の上に押し倒す。座敷のテーブルの角がM平の頭の斜め上にある。
 そのまま右手で近くにあったビール瓶の口の部分を持って振り上げる。

 (ここが大事なのだが当然ビール瓶でM平を殴ろうと思った訳ではなくテーブルの角のところまで振り下ろして寸止めをしようというパフォーマンスだったのだ。いやいずれ普通の社会人の常軌は逸しているのだが。)

 ところが酔っているためにビール瓶は空中で手を離れる。
 ビール瓶はそのまま1列テーブルの先を越して座敷の窓にある障子まで飛んでいく。
 多少ビールが残っていたらしく障子にビールの跡を残し瓶はテーブルの向こうに落下。
 僕の手はM平の顔の真上で止まる。
 その後、何秒かM平はおびえた顔をして僕とテーブルの間で横たわっている。
 僕は「まあ、いいよ」(何がまあいいんだか)と言ってM平は席に戻る。

 これが新入営業社員殺害未遂事件の真相なのである。つまり当然殴る積もりはなく、ビール瓶が途中ですっぽ抜けなくてもM平が殺されることは無かったのである。

 その後、M平は先輩に諭されて「お前は今日は帰った方がいい」ということになり、「失礼します」と言って帰っていった。その後はその話題にはあまり触れることなく、その「五味鳥」での宴会を終わり2次会、3次会といつものヘビーな飲み会が続く。

 さて翌日だが、朝起きてこの事件を思い出し、M平もさぞ怖い思いをしただろう、と彼のオフィスに顔を出す。
 「おお、昨日は悪かったなあ。殺す気はなかったから悪う思わないでくれ。」などと会話していると、営業部ではちょっとした話題になっていて近くにいた営業部長が心配そうに近づいてきて「激しい飲み会だったらしいね。大丈夫なのか。」などと声をかける。

 それから何ヶ月かしてM平が会社を辞めるという話を聞いた。理由は彼は大学院出で父親も教授か何かなのだが、やはり学問の道に進みたいので卒業した大阪の大学に戻るというものだった。これが「会社の先輩(僕)に飲み会で殺されかけたので退社」という話になったものである。

 いや、元々企業で社会生活を営むには少し厳しかったのを本人も気付いたのだろう。「殺害未遂事件」が何らかの要因になったとは思っていないのだが、もしそうだとしても本人にとっては良かったに違いない。

 冒頭の腱鞘炎に関してだがビール瓶をにぎってテーブルの角に持っていく間に筋を違えたらしく、しばらく痛かった。この何週間はキーボードも叩けず、ピアノも弾けず。

 さて、これが「新入営業社員殺害未遂事件」の真相なのであるが読んでいただいた皆様はどのように感じられただろうか?

未遂事件の顛末に関して
 A.事の顛末は納得性があり自分でもそうするだろう。
 B.殺すつもりはなかったとしてもあり得ない行動でありM平が殺傷された可能性はあったのではないか?
 C.絶対に殺すつもりだったのを美化して書いているに違いない。

M平退社に関して
 A.M平が会社を辞めたのは彼自身の問題として当然の帰結である。
 B.M平退社とこの事件は何らかの因果関係があると思われる。
 C.M平は明らかにこんな恐ろしい会社にはいられないと思い退社している。

7 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

この事件は記憶に新しいです。Kohs in 「First stage 」with 殺人ライトハンドでかなり痛がっている割りによりは激しい「summer time 」を披露。
2年後くらいの同じライブハウスでの同じイベント。今度は自転車の飲酒運転による転倒で、肋骨にひびがはいっての青息吐息パフォーマンスもありました。
お酒にはくれぐれも注意しましょう。

Unknown さんのコメント...

突然のコメントですが、、、

こういうのって、力入れて説明するほど、疑わしくなるね。(^^;)

浮気の言い訳とか、芥川の藪の中と似ているのでは・・・

ええ、もちろん、僕はKohsさんを信じています。Kohsさんは絶対にそんなことをする人ではありません。ええ、本当です。

大内

kohs_K さんのコメント...

little 市ノ瀬さん

そう、酒による事故が多いこの頃です。大阪ライブまで自重します。

kohs_K さんのコメント...

noriさん

確かに事実と通説とどこが大きく違うのか書いていてわからなくなってきました。

匿名 さんのコメント...

未遂事件の顛末に関して
 A.事の顛末は納得性があり自分でもそうするだろう。

M平退社に関して
 A.M平が会社を辞めたのは彼自身の問題として当然の帰結である。

思うが。。。。人間関係がうまく行かなかxったのでしょう。あれを感じだすと地獄ですから。本人も辛かったと思いますよ。

ビール瓶持って・・・・
Kohさんらしいですね。次の京都はお手柔らかに頼みます。 次は○桑さそっておきます。

kohs_K さんのコメント...

麻呂さん

最近、歳のせいか時々童心に返って学生時代の凶暴性が現れることがあるようです。三つ子の魂、百まで。ともいいます。

kohs_K さんのコメント...

金融財政事情の2011年5/2号に震災後の基金創設に関するコラムを出しているのを見てつくづく私がやったことは正解だったと思う次第である。